さっしーです。
池井戸潤さんの新しい小説「アキラとあきら」読みました。
池井戸作品はほとんど読んでますが、あいかわらず素晴らしい出来、超オススメ、いや必読です!
読むと止まらなくなるので、寝不足ですが(笑)
今回も銀行員が出てきますが、何より同族会社の相続前後などはリアリティーある展開で唸ってしまいました。
「同族会社あるある」です。
同族だからこそ、ドロドロしがち。
同族の中には勘違いしてる人もいるもの。
そういう人によって同族会社の相続はかき回され、その後に大きな影響がでやすいもの。
それはそれぞれの人の人生に大きな影響があります。
二人のあきらはそれぞれ全く違う環境で育ちながらも、それぞれ重いものを抱えて大人になります。
これも現実社会では(小説ほどではないにしろ)ありがちなこと。
もっといえば、誰しも何か抱えて生きていますよね。
それをしっかり意識しているかどうかは別問題ですが。
そういうものを抱えたまま、あきらとアキラはバンカーに。
そして、それぞれの抱えていたものとからめながら小説は展開していきます。
池井戸潤さんの作品は、なみの自己啓発本より自己啓発になりますね。
わたくし、読んでる途中からすっかり「あきら」(笑)
取り組み姿勢も正しくなります。
著者の考える「あるべき姿」
妙に現実的な「よくある姿」
どこにもいる「自己中な姿」
これらが池井戸作品では上手に描かれていますよね。
そんな中で、あるべき姿を求めて様々な困難を、信念とあっと唸らせるような知恵で乗り越えるストーリー。
主人公になりきればなりきるほどはらはらドキドキして、最後に爽快な、あたかも自分がやりきったような爽快さを疑似体験できます。
(周りからみればオマエハ「あきら」というより「あきら100%」?)
登場する部下の若手バンカー、これは普通の人です。
悪者じゃありませんけど、流されて、あきらめて、それが普通の事。
登場する上司のやり手バンカー、自己中ですがどこにでもいるサラリーマンです。
自分、自社さえよければいい。
儲けるためにやってるんだから、、、
いますよね。
何か芯となるものが無ければそうなってしまいますよね。
(青臭い)あるべき姿を、いろんな困難を乗り越えて実現しようぜ、というメッセージを池井戸作品から感じるのはわたしだけでしょうか。
アキラとあきらは以前に書かれたものだそうで、やっと日の目を見たと。
本当に出版されて良かったです。
「金は人のために貸せ。金のために金を貸した時、バンカーはただの金貸しになる。」
こういうバンカーが一人でも多く生まれて欲しいものです。
ちなみにネタバレになりますが、作品の最後にちょっとした演出も。
転校していった女の子、、、