働き方改革の標的である長時間労働の処方箋として「神対応を見直せ」という記事を読みましたが「ぅん?」という違和感を感じたので書いておきます。
厚生労働省が発表している、2015年度の過労死などに関する実態調査の結果で、業種を問わず、企業側の「所定外労働が必要となる理由」で「顧客(消費者)からの不規則な要望に対応する必要があるため」が44.5%で最も多いとのこと。
こうした顧客の無理な要望に対応する「神対応」を見直すことが、仕事の絶対量を減らす処方箋との記事でした。
神対応って顧客の無理難題に応じる対応のこと???
わたしは違うと思います。
神対応って相手(お客様に限らず)を良い意味で驚かせるような対応のことですよね。
なぜ顧客の無理難題に答えるための労働が神対応とつながるのでしょ?
スカッとジャパンというテレビ番組があります。
神対応的な行動でスカッとする話満載で、わたしはけっこう視ます^^
アッといわせる対応は、文字通り「アッ」「ヨシッ」っというスカッと気分になるものです。
ずるい奴をぎゃふんと言わせるような一手を繰り出すような対応、なんでなんだという流れを一気に逆転させるような一手。
そういう一手こそ神対応と呼べるのかもしれません。
確かに顧客の無理な要請に応えようとして労働時間が長くなることはあります。
でも、そういう時に簡単に難題をクリアするアイデアが出せれば「神」ですよね。
お客様の要望に答えるために長時間労働になるのは普通の流れです。
なんとなくですが、いやいや対応してると長時間労働が一層重くなるものです。
冒頭の記事。
「顧客からの無理な要望に対応するのが神対応」というところの論理が飛躍しているというか、無理あるところですね。
商売をしていれば無理な要望は時に大きなヒントなのかもしれません。
しかし、全てに応じる必要はありません。
だって商売は五分五分。
互いに尊重すること、お役に立つことが基本にあってのこと。
そもそもこの手のアンケートには安易な返事が多いかもという注意も必要ですよね。
とりあえず「仕方ないんですよ」というようなことにしておくということ。
昔はあまり好きじゃなかったんですが、最近菜々緒さんっていいなと思ってます。
運動は本来好きじゃないけど、必要だからトレーニングしてる。
求められてることを感じ取り、先取りしていますよね。
それは彼女の「売り物」「セールスポイント」のパーツになってますよね。
嫌なことでも嫌々やってるようにはみえません。
言われてやることばかりが対応じゃありませんよね。
状況をみて動くことも対応。
無理難題を言われる前に、顧客の求める答えを提供することこそ本来の仕事かもしれません。
こんなことができればいいな。
こんな物があったらいいな。
この味なんだよ。
そうそうこれこれ。
あっそうか!
なるほど!!
スティーブ・ジョブズは言ったそうです。
「消費者に、何が欲しいかを聞いてそれを与えるだけではいけない。
製品をデザインするのはとても難しい。
多くの場合、人は形にして見せてもらうまで自分は何が欲しいのか
わからないものだ」と。
確かにiPhone、iPad、Mac、、、そうそう!これこれ!これいいじゃん!でしたよね。
相手(お客様)がまだ気付いていないニーズを先回りしてご提供できるのは神業、そういう対応こそ神対応です。
そんな仕事がしてみたいものです。