会社では人事考課という評価があります。
最近は評価制度も多様化しているのでいろんなやり方があるようですが、基本的な考え方を知っておくことは大切です。
中小零細企業の中には人事考課制度のない会社もありますが、何らかの評価はどこかで誰かがしているはずです。
そもそも、なんのための評価?
それは、人材育成のためであり、能力に応じた処遇と報酬のためです。
人事考課制度を理解することで、今自分は何をすべきかが見えてきます。
がむしゃらに頑張るのも良いのですが、会社としてはこの社員には今何をしてほしいかという考えがあります。
その基本的考え方について書いてみます。
人事考課の3つの切り口
働いている人を評価する基本は、頑張ってるか?成果はどうか?能力はどうか?という3つの切り口が基本です。
頑張ってるか?というのは情意考課と呼ばれ、協調性など働く姿勢・取組姿勢を評価されます。
一般的には「あいつ頑張ってるな」などと言われる人は情意考課の評価は高いはずです。
この評価は成果ではないので、成果が上がっていなくても関係ないのですが、成果から逆算する評価者もいます。
そういう評価者は、評価する能力がないということなのです。
でも損するのは評価される側、理不尽ですがそういう評価者は評価が低くなるものです。
成果、成績考課は文字通り結果についての評価です。
主には目標に対する達成度が基本になる場合が多いですね。
じゃあ目標を低くすればいいのか?
会社によって違うかもしれませんが、目標設定も能力の一つという意味で、達成度が高すぎるというのも問題ありです。
能力考課も文字通り能力についての評価です。
基本的には潜在能力ではなく、顕在能力が評価されます。
企画力や交渉力など自分のウリがあると思いますが、ポイントは顕在化させること。
潜在能力のままでは評価者も気づけませんし、業務に役立ててなんぼですからね。
若手・中堅・管理職で評価ごとのウェイトが違う
上記3つの切り口には、それぞれ細かな項目があってそれぞれ点数化されます。
その点数をそのまま評価につかうというより、それぞれの人に応じたウェイトが掛け合わされて評点が決まるというパターンがあります。
評価項目毎の内容と点数自体が違うこともあるでしょうが、考え方は同じです。
その基本的な考え方は、若手は頑張ってるかどうか、役職が上がれば結果が重視されるということです。
このウェイトこそ、会社が求めていることを示しています。
新入社員の情意考課40点/50点満点、成績考課20点/50点満点、能力考課30点/50点満点として、ウェイトが情意考課7、成績考課1、能力考課2とした場合どうなりますか?
満点は500点で、上記新入社員は360点です。
でも、10年目の人が同じ情意考課40点、成績考課20点、能力考課30点で、ウェイトが情意考課3、成績考課4、能力考課3とした場合、290点です。
管理職の人が同じ情意考課40点、成績考課20点、能力考課30点で、ウェイトが情意考課2、成績考課5、能力考課3とした場合、270点です。
ここでは点数もウェイトも適当ですから、ウェイトが変われば点数が変わるということをわかってもらえればいいです。
実際には求められる能力や成果、取組姿勢なども新人と管理職では変わるので同じ土俵ではないことが多いですが、責任とともに成績部分が重視されるというのが道理です。
逆に言うと、若いうちはどう取り組んだか?ということを問われるということですね。
よくある誤謬(ごびゅう=間違い)
結果が良ければ全て良し的な誤謬、、、よくあります。
逆に、一つ悪いと、全て悪い、、、よくあります。
どれも中間的な評価、、、よくあります。
評価期間中のなにか一つの大きな印象で評価してしまう、、、よくあります。
総点数を比較しつつ項目点を調整する、、、よくあります。
人事考課は考課者にとっても簡単じゃありません。
どうしても考課者によって偏りが出るものです。
考課されるものとしてできることは何か?
日頃の聴く姿勢がコミュニケーションとして大切なことなのかもしれませんね。
また、自分のセールスポイントを持つというのも全体を上に引っ張り上げる効果があるかもしれませんね。
まとめ
人事考課には大きく見て3つの切り口があります。
それは、情意・成績・能力。
若いうちは情意考課が重視され、それなりの立場になると結果重視にウェイトが変わってきます。
考課者にもいろいろいるので、日頃からしっかりとコミュニケーションを取ることで適性な評価をしてもらうことは、自分の能力開発にとっても大切です。
社内の人事考課の基本は絶対評価。
相対評価ではないのです。
良い評価の人が多い会社は成績もいいはず、、、というのが理屈。
そういう意味では、競争するのは社内ではなく社外ですよね。
評価というのは100点にはなりません。
難しいものです。
社内の評価と社外の評価は違うことが多いというのもよく言われます。
【参考記事;社内(仲間内)での評価と社外(仲間外)からの評価】
社内と社外の評価が近い会社は、ベクトルが正しいと言えるのでしょうね。
また、最近は働き方も評価も多様化しています。
そんな中で大切なことは、何が求められているのかということ。
求められていることに応えることができれば、評価されるということですね。