仕事を選ぶにあたって、やりたいことは何か?と考えても何も思いつかないという人も多いのではないでしょうか。
自分に興味のあること、子供の頃から目指してきたもの、そういうのを仕事にできれば夢中になれるかもしれません。
逆に、そういうの仕事にすると楽しめなくなるという説もあります。
夢を仕事にする?
仕事に夢を持つ?
仕事は辛いもの、、、ある意味それは真実かもしれませんが、そういう辛さもある意味楽しめるなら理想的なのかもしれませんね。
では、どうすればそんな境地になれるのか?
仕事なんて辛いだけ!
こんな仕事、もうやめてしまいたい!
自分に合う仕事なんてないんじゃないか?
そんな悩みを持つひとにとって楡周平さんの『 TEN 』をおすすめします!
主人公の通称テンはドヤ育ちの中卒で、当たり屋やったりしている若者です。
兄がいましたが、病気になっても貧しさのため満足な治療を受けることが出来ず亡くなってしまいました。
その兄の親友は、ドヤの中では裕福で、頑張って勉強して大学を出て大きな会社に就職。
ある時、テんが猫を投げて当たり屋稼業をしようとしているところを兄の親友に諭され、彼の働く企業グループの料亭で下足番の職につきます。
働くにあたって、また、働き始めて、いろんな機会に彼がテンにいくつかアドバイスをします。
そのアドバイス以外でも、社長や妻のセリフに名言が散りばめられています。
「仕事なんてもんはな、好きや嫌いでやるもんじゃないだ。面白くするかどうかは、本人の才覚次第だ」。
「どうしたら、もっと仕事の効率が上がるのか。人に喜んでもらえるか。銭金、損得抜きで考えてみろ」。
「一寸の光陰軽んずべからず。功成り名を挙げる人間というのは、僅かな時間でも無駄にしないものだ。何をなすか、何ができるか、常に考えている。これができそうで、できない常人ばかりというのが世の中」。
「だったらできない理由を挙げるより、どうやったらできるようになるか、そこに知恵をしぼるのがあたりまえってもんだ」。
『TEN』に出てくる名言の根底にある、だったらどうする?、どうやったら喜ばせることができるか?という事は、われわれが忘れがちな仕事への取組姿勢ややりがい等について考えさせられます。
話全体のストーリーもドロドロした「嫉妬心」や「裏切り」などが描かれている中で、律儀な正直者がどうなるか?
という切り口でもドキドキが止まりません。
まぁ、あくまでも小説ですから、実際に書いてあるようなことが起こったらどうなるかは紙一重ではありますが、だからこそ、せめて小説ではこうあってほしいものですよね。
ちなみに、S鉄道グループの話・太閤記などが基礎になっているんだと思います。
今の時代、TENと違って、ある程度職を選べる人が多いでしょう。
だからこそ、感謝や覚悟が足りなくなるということもあります。
感謝と覚悟を持って、「どうすれば喜んでもらえるか?」「だったらどうするか?」と知恵をしぼるのは、辛くて苦しいことだけど、それが楽しい、、、というのは、今どき流行らないのですかねぇ?
ということは、そういう事ができればチャンスが拡がるということなんですよね^^
仕事に夢を持ちたいものですね。