日本でもいろいろな場所で人工芝を見かけるようになりました。
まだ公立学校では少ないですが、私立中高ではけっこう人工芝化してますし、大学では既にほとんどが人工芝じゃないでしょうか。
そうはいっても、天然芝は確かに気持ちいいですよね。
しかし、イニシャルコストは安いのですが、芝刈りや水やりなどのコストが高く、メンテが大変なため人工芝が急速に拡がりました。
昔の人工芝は、緑のプラスチック、というイメージでしたが、今の人工芝は見ただけでは天然芝と区別できないくらいよくできています。
人工芝でプレーしたらひざをやられる、などと昔は言ったものですが、今は聞きません。
緑の葉っぱ部分が長く、充填材が土の役目をしているピッチはすばらしいです。
ただ、そんな人工芝の上で動いたあと家に帰ると靴の中が黒いゴムチップだらけ、という経験ありませんか?
それがゴムチップ充填材です。
その人工芝に大きな懸念が生まれています。
緑の部分も問題がある製品があるようですが、大きな問題はゴムチップ充填材。
充填材に黒いゴムチップを使っていると、(ゴムなので)足が引っかかったり、ボールが変なバウンドしたりすることがあります。
そこらへんまではまだいいのですが、夏のピッチ上が高温になります(70度)。
ご存知の方もいらっしゃると思います。
熱射病、怖いですね。
温度が上がるとゴムチップから出るガスによる悪臭もあります。
さらに大きな疑念は、『癌』の発症との関係です!
2009年、ワシントン大学女子サッカー部に所属する2人の女性ゴールキーパーが、「非ホジキンリンパ腫」の診断を受けました。
チームの仲間は病院関係者とのやりとりから疑問を感じ、人工芝と癌の因果関係を調査。
その結果は、化学的な証明にはなり得ないものでしたが、公園やスタジアム、学校に使われている人工芝は「安全なのか?」
それを関係機関に問題提起するには十分でした。
これをきっかけに、大手メディアのNBCが独自取材。
そのような中で、人工芝委員会は、人工芝が身体に何の影響もないという証拠が、近々科学的に証明されると言い切りました。
しかし後日、「ゴム屑を吸い込んだり、口腔摂取したり、皮膚に触れたりすることの身体への有毒性に関するレポートが、過去20年で60件以上ありました。ガンに関するレポートも同様です」と(人工芝委員会)が発表。
同委員会の代表は連邦有害物質疾病登録局に、アスリートにどんな影響が出るのかを公的に調べるよう要請しました。
さらに、全国ネットの『USA Today』は、運動場や、託児所などにある人工芝は、子どもたちの健康に与えるリスクが十分に高いことが報告されていると報道。
それから約1年経過後、USA Todayは「NBCのシリーズ報道により、人工芝のゴム屑の安全性に関する議論が国中で白熱しているにも関わらず、それを規制しなければならないはずの連邦機関側が沈黙している」と批判。
合衆国環境保護庁のスポークスマンは会見の場で、「国中にある子どもが遊ぶ人工芝は本当に安全なのか」という記者の質問を無視。
NBCの取材に対し、米国下院エネルギーおよび商業対策委員会は環境保護庁官に対し、現在安全性回答に向けて調査中であると通知。
返答期限を過ぎても、未回答でした。
否定ではなく無回答ということが意味するものは?
明らかに現在、米政府は人工芝の安全性リスクを重大視しています。
ロイター通信によると、少量の古タイヤを原材料に使っている運動場や競技場は子供たちを危険物質に曝しているのではないかとして、近く3つの政府機関による連携調査が行われます。
その政府機関とは環境保護庁、消費者製品安全委員会、疾病予防管理センターで、間もなく「人工芝のリスク評価」が明らかにされるものと思われます。
日本でも朝の全国ネットの情報番組で単発的には報道されましたが、影響が大きいためか、大手資本が既存人工芝を扱っているためか?ですが、問題にふたがされているかのようです。
さらに、学校へのダイレクトメールによる案内等に対してもほとんど反応がないとのこと。
教育機関である自校の施設が、学生・生徒・教職員の健康に悪影響が懸念され、ゴムチップの流出により近隣環境にも悪影響が考えられる問題に反応がないという姿勢は大問題です。
対応するとしたらコストがかかると想定されるとはいえ、現施設の施行業者への問題確認だけで「問題なし」と判断しているとすれば、表面的な対応でお茶をにごしているとしか思えませんね。
学校には理科の先生がいるはずです。ゴムチップに何が入っているか?聞いていただければすぐにわかります。(ベンゼン、カーボンブラック、鉛、、、)
現在わたしの知っている安全な充填材は、ココナツヤシ素材のものがあります。
イタリアのセリエAでも使われています。
癌はもちろん、ガス発生もないですし、温度も天然芝と同等です。感触は土、ですね。
(お問い合わせはコメント経由でお願い致します。)
最近ではご家庭に人工芝を施行される方も増えています。そんな場合も注意が必要です!
(特に小さなお子さんは口に入る可能性が高いです)
ご自身やご家族・ご友人が人工芝で過ごす機会のある皆さん、気をつけてください!