わたしが大学を卒業して新入社員研修のため東京に旅立ったのは3月31日。
月日は、はっきり覚えています。
4月1日から新入社員研修でした。
あの年の今ごろは、スーツやネクタイなどの社会人グッズを買いに行ったり、友達と会ったり、結構バタバタしてたような気がします。
不安、ドキドキ感をバタバタする事で忘れようとしてたのでしょうか?
やっぱり桜はきれいに咲いていたのでしょうか?
今では全く覚えていません。
でも、あの頃どんな歌を聴いてたか、おぼろげに覚えています。(ウォークマンもどきで!)
流行ってた歌も聴きましたが、そういう歌も聴いてました。
チューリップなんて何世代か前ですが、なぜか今では唄えます、、、
新入社員研修の宿泊は品川プリンスのシングル部屋に2ベッド。
誰が同室だったかも覚えてません。
ホテルのエレベーターで怪しい外人女性に声かけられたのは覚えてますが、、、
新入社員研修の休日には、友人や弟と会いました。
東京には遠征などで何度か行った程度。
お上りさんだったんでしょう。
桜が咲いてたかどうかは覚えていませんが、タクシーになぜか持ってたカッターシャツを忘れた事件を覚えています。
結局出てこなかったので、安物のカッターシャツを買いに行きました。
新入社員研修でやった事、ほとんど覚えていません。
レポート書いたら「文章が幼稚」とコメントがあった事は覚えてますが、、、
会社の偉い人のおはなしを延々と聴いてた覚えはあります。
懇親会では何名か調子に乗った新入社員が、あの人怖そうと噂をしていた偉い人から大怒られしてました。
研修終了後、赴任地へ行った頃から徐々に記憶があります。
数年前に住んでた寮の近くに行ったら結構忘れているものです。
こんな鳥居あったっけ?
ここ通ってたような気がするけど?
この散髪屋さんまだやってる!
という感じでしたね。
大学入学のために地元を離れた時は、地元から出て、初めての一人暮らし、という緊張感とドキドキ感がありました。
会社に入るために出発した時は、仕事というものに対する緊張感とドキドキ感がありました。
いずれの時も、不安も希望もごちゃまぜになった気持ちであったとおぼろげに覚えています。
自分の事で精一杯で、親に何を言って旅立ったのかも覚えていません。
どんな顔して旅立ったのかも覚えていません。
いっけん、なんてことない大丈夫という顔してたんだと思います。
桜の季節、あちこちであの時のわたしと同じ気持ちで出発している人がいる季節。
全く知らない若者たちではありますが、しっかり羽ばたけば大丈夫だから、と思うのは年齢から来るものなのでしょうかね。
そういえば、あっというまにそういう子供がいてもおかしくない年齢。
全く親不孝なわたしですが、、、
親がここまで育ててくれた事は事実。
親が子供を育てるのが「あたりまえ」なら、子供が親に感謝するのも「あたりまえ」と言えるのでは?
しかし、「あたりまえ」というものはありませんから、愛情とするのが適当かな、と今は思います。
あれから30年以上経ったとは思えない未成熟なわたしですが、そういうことを思う事ができるようになったのは子供のおかげなのかもしれませんね。
桜の季節、旅立った時の気持ちを思いだしつつ、旅立つ若者にエールを送り、静かに一杯やりたいなと思う今日この頃です。